プラグインハイブリッドカーといえば、今をときめく最高のエコカーの1つです。
クルマの将来はおそらく電動化、つまりEV。電気の力だけで走れるEVは、クルマ自体が排出ガスを出しません。さらにスムーズな走りとくれば、EV万歳!なわけです。
ところが、EVにもまだまだ課題は多く、その最もたるは「充電」。家に充電設備を用意し、おおよそ10時間〜15時間の充電時間を必要とします。航続距離はおおよそクリアされつつありますが、旅行先に充電設備が無いといけないなど、インフラが整うまでは自宅周辺でしか使えません(*´-`)
そこで、長距離はガソリンで、短距離はEVとして走れるクルマとして登場するのが、プラグインハイブリッドです。
MINI COOPER SE CROSSOVER ALL4 箱根へPHEVロングドライブだ!
MINI COOPER SE CROSSOVER ALL4は、プラグインハイブリッドカー。前輪はガソリンエンジンで、後輪はモーターによって四輪駆動を実現したハイテク!AWDカーでもあります。
EVだけでの航続距離は42kmとEVに比べれば少ないながら、街中の買い物だけなら排ガスを出さずにクリーンな走行が可能。1.5Lガソリンターボエンジンにより、高速道路でも力強い走りができるようになっています。
さて、パワーソースとしては1.5Lターボ+電動モーターという贅沢なこのクルマを、MINIディーラー様の計らいにより一泊二日で貸していただくことができました!今回はPHEV性能をしっかり体験するべく、首都圏から近い箱根へとロングドライブに出かけることにいたしました。
渋滞に強いプラグインハイブリッド
MINI PHEVを借りたのはお昼前。ところが東名高速道路は事故で渋滞。国道246号線も大混雑。お腹も空いたところだったので軽く食事を済ませてからの出発に。吉野家で牛丼をいただき、燃費計をリセットしてからいざ出発!
横浜町田インターから東名高速道路に乗れたのは、食事が終わってから1時間後。しばらくトロトロ運転を強いられたMINIでしたが、バッテリーでのスムーズな渋滞走行のおかげで燃料消費は一切なし。凄い。
9月とはいえ暑い日でしたが、停車中もエアコンもしっかり作動。ここがエンジンを積むクルマとの大きな差です。
高速道路のほうが乗り心地が悪い?
高速道路を西へと進み、小田原厚木道路へ入ります。流石に欧州車。どっしり感や安定感はなかなかのものです。
1,590mmという背の高さは、立体駐車場からはハミ出てしまうサイズですが、おかげで高速道路の遠くまで見通せて気持ちが良い。大型クロカンのような高い視点ではありませんが、かわりにライトSUVらしくキビキビ動けるのは嬉しいですね(^-^)
それでも「MINI COOPER SE CROSSOVER ALL4」はスポーティというよりは高級乗用車かなという感じです。路面のデコボコをよく吸収して車内に「大きい揺れ」を伝えてきません。
ところが、やはり背の高い車です。ピッチング(頭が前後に揺れる挙動)は無いとは言えません。背の低いクルマに乗っている人にはとっても気になる動き。試乗をお勧めいたしますよ。
そもそもMINIは車高の低い車ばかりですから、例えば家族が増えて乗り換えたいMINIオーナーの事を考えると、背の低い車ならではの快適性をスポイルされるわけにはいきません。欧州車といえば高速道路ではフラットな走行を味わえるはずなのになあ。一般道では感じることのないピッチング。要改善を求めます。
バッテリーの重さにボディ剛性がついていけていないのか、もしくは過剰に剛性が高いのかな?
クルマとしての出来がいいMINI PHEV
バッテリー走行は小田原厚木道路を走行中に終わってしまい、しばらくはエンジンでの走行。「MINI COOPER SE CROSSOVER ALL4」のエンジンは1.5L。ターボが装着されていて、136ps/200Nmの実力を発揮します。
起伏の激しい小田原厚木道路ですが、上り坂はスムーズにターボエンジンが駆動、下り坂はモーターによる充電。これがナビ画面に表示できるモニターを見ないとわからないほど、スムーズに切り替わってくれます。とってもインテリジェントです(^-^)
途中速度違反で捕まった車を2台横目に見ながら、小田原に到着。そしてここからは「箱根ターンパイク」で楽しい山登り!
神奈川県の小田原市から箱根の湯河原峠までの標高差1,000mを、15kmの道のりで登ることができる箱根ターンパイク。「MINI COOPER SE CROSSOVER ALL4」は、1,700kgという巨漢の持ち主ではありますが、ガソリンターボエンジンのおかげでグイグイ登っていくことができます。
上りのカーブ、登坂車線のあるような急勾配も、一定の速度でスイスイ登っていけちゃう。このエンジンはBMW製ですが、さすがですね。。。バッテリーを積まないで走ってみたいと思ってしまいました(^ ^;)
カーブでのクルマの姿勢もよく、高速道路よりも快適に走れたんじゃないかな?
充電設備は中々見つからない
さて、箱根は大きな観光地。そろそろ充電を体験したいところですが、MINIのナビゲーションを見てもあまり充電スポットがありません。
どうやらホテルには付いているようですが、きっと宿泊客用だろうと思い躊躇してしまいます。ところが「箱根プリンスホテル」に充電マークがあることを見つけると、ここならショッピングゾーンもあることだし、充電設備もあるのだろうとの希望が見えたので向かうことに。
ところがパーキングエリアには充電スポットらしいところは見つからず。
箱根プリンスホテルのWEBを見てみると、そこには「充電は宿泊客以外でもご利用になれます」の表記のあとに、「フロントへお声掛けください」となっています。
フロント?15時を過ぎて宿泊客がどんどん押し寄せている中では、フロントに無料で充電させてとは言いづらい(汗)
結局箱根での充電は諦めて、帰路にたつことにしました・・・充電スポットを観光地で探すのは、意外と大変なことを思い知らされたのでした。
MINIでCHAdeMOは使えない
街中がダメなのであれば、高速道路で充電すればいいじゃない?
ということで、東名高速道路の足柄サービスエリアへ向かいます。ここは大きなサービスエリアなので、充電スポットも沢山あるんじゃない?
予想はあたり、充電スポットへ車を止めることができました(^_^)。よーく観察してみると、充電器ひとつにつき車は2台止められるようになっています。どうやら片方は充電待ち用の駐車スペースらしいです。
先客としてリーフとアウトランダーが充電中。一回につき30分しか充電できませんが、急速充電なので結構充電できるらしい。でも、MINIでどのように充電すれば良いのやら?と色々調べていると。。。
「MINIはCHAdeMO(急速充電器)には対応してない」
という事実が判明。
”スゴスゴ”という言葉がぴったり。充電スポットを後にするのでした。。。
1時間での充電量は40%
考え方によっては、充電スポットが使われているならガソリンで走行できる、と言えるかもしれません。けれども、一度EV走行を体験してしまうと、その走行性能や燃費の良さで、どうしても充電したくなってしまいます(*´꒳`*)
高速道路の充電設備を使えないのは、MINIには痛いところ。急速充電に対応してくれるといいですね。
とりあえず地元へ到着し、ショッピングセンターで充電スポットを発見。1時間ほど充電を試みることができました。
ガソリンとは真逆のフロント側に装着された充電ポート。ここに充電器を挿すだけで開始です。カチッと言うまで挿さないと動かなかったので、しっかり差し込んで、充電器の表示が「充電中」になることを確認しましょう。
バッテリー残量が4%のところから充電をはじめて、1時間後には44%に。あと1時間充電したいけれど、1名あたり1時間と決められています。マナーは守らないとね。
MAX eDriveモードで未来に浸る
その44%のバッテリーを使って、7.5km離れた我が家まで帰ります。ガソリンは一切使わず電動モーターのみで走る「MAX eDrive」モードを試します。ピュアなEVとして動く「MINI COOPER SE CROSSOVER ALL4」は、今の時間だけは未来の乗り物。バッテリー残量がグイグイ下がるのは精神的にきついですが、エコロジー運転を心がけるようになります(^ ^)。
なかなか面白い体験をさせていただきました!ちなみに燃費はといえば、吉野家で食事をしてから箱根をめぐり、ショッピングセンターで充電するまでの走行距離200kmで、「17.8km/L」でした。SUVとしては中々の好成績ですが、充電しなければどんどん下がっていきます。
プラグインハイブリッドカーは、やはり充電ありきの車のようですね。
MINIでは32時間モニタキャンペーンを実施中
街中での充電には、本当に気をつけてほしいです。
基本的には「普通充電器」だけが使えます。急速充電はできません。よくよくMINIのナビを見ると、高速道路上に充電マークはありません。つまり、本当にロングドライブをした場合、かならず途中で「電池切れ」を起こすことになります。
1時間の充電で40%回復するのであれば、十分実用的に動けるようになります。ガソリンと電気をミックスして、普通のハイブリッドカーよりも効率の高い燃費走行が実現するのです。ですので、普通充電器も高速道路においてほしいなと感じます。
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プラグインハイブリッドの将来
自宅に充電器を置くことを前提とすれば、とくに街中での買い物などにもってこいのプラグインハイブリッド。
EVの苦手な部分を補完し、ガソリンエンジンの燃費を改善できる素晴らしいシステムです。強いて言うならば、ガソリンエンジンと電気モーターを持つので高額になりがちですが、環境に気配りしたい人にはうってつけの乗り物でしょう。
小型SUVが概ね13km/Lほどの燃費なことを考えれば、17.8km/Lという数値は優秀です。ただ、もう少し伸びるとうれしいですね。現状ですと、クリーンディーゼルのほうが維持も給油も安く済むことでしょう。
実燃費で20km/Lを超えられれば、さらに価値のある乗り物になることでしょう。
一方で、EVが充電関連を克服すれば、プラグインハイブリッドはお役御免になります。今後10年間に1度、乗るか乗らないかの選択になりそう。そう思えるクルマでした。
MINI COOPER SE CROSSOVER ALL4 | |
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駆動方式 | 1.5Lガソリンエンジン+電気モーター AWD |
出力(エンジン) | 直列3気筒DOHCターボ 136ps/220Nm(前輪) |
出力(モーター) | 88ps/165Nm(後輪) |
システム出力 | 224ps/385Nm |
燃費(JC08) | 17.3km/L |
EV後続距離 | 42km |
全長 | 4,315mm |
全幅 | 1,829mm |
全高 | 1,590mm |
今回は、「MINI 横浜都筑」様よりクルマを貸していただきました。ありがとうございました!